七彩

 七彩 ロベール・ブラジヤック 池部雅英訳 1945もうひとつのフランス 国書刊行会
 
 別巻『奇妙な廃墟 フランスにおける反近代の系譜とコラボトゥール』は、
 論客・福田和也のデビュー作なのだが、本シリーズの存在自体、
 あまり広くは知られていない。
 
 本書は、大戦後、対独協力派として処刑されたブラジャックの代表作。
 残念なことに、フランス本国においても未だ再評価はあまりされていないらしく
 先日、拙いフランス語で原書の取り寄せを試みたが、いずれの版も絶版という。

 ファシズムという思想の持つ魅力、そしてその魂が未だに失われていないことを
 確信する上で、ぜひ一度は読んでおきたい一冊である。